サイディング直貼りによる凍害が発生していたパネルで外壁塗り替え適性試験

DSC06911-e1477535389944
5月14日の見本板作成のもう一つの実験は、
近年の住宅で80%の外壁で使用されているサイディングパネルについてです。
2005年ごろまでに建築された住宅の中には、サイディングを下地に直接貼り付ける【直貼り】という取付方法が許可されていました。現在ではサイディングを使用する場合は、通気工法が品確法で定められておりますので、今塗り替え時期を迎える建物では特に注意が必要です。
直貼りによって内部結露の水分をサイディング自体が吸収してしまい、サイディングがボロボロに劣化してしまう症状です。
DSC06933-e1477535429664
こうなってしまったサイディングは、ボロボロのまま通常の塗り替え用下塗り塗料を使用してしまうと、密着不良を起こし塗替え後の膨れや剥がれを引き起こす原因になってしまいます。
特殊な強化シーラーを使用する事で凍害したサイディングを強化し密着を確かなものに出来るという実験です。

まずは、劣化部分を丁寧に削り取っていきます。
DSC06896-e1477535462972
サイディング素地を強化する今回の下塗りは、
日本ペイント「ファイン浸透造膜シーラー」です。
通常の塗り替え用下塗りの5倍ほどの値段ですが、性能は段違いです。
そもそも通常の下塗りは下地に吸い込まないので、表面に無理やり膜を形成するために下地が健全でないと密着不良を起こします。
この浸透系造膜シーラーは、下地に吸い込む特性が有るので吸い込んで素材を強固に固める効果が特徴です。
その代り、吸い込みが止まるまで塗り重ねる必要が有るので、材料代も手間も通常よりも余計に掛かります。
DSC06936-e1477535508208
凍害したサイディングをA4サイズにカットし、テープで見切りをつけて塗り分けします。

ファイン浸透造膜シーラーを吸い込みが止まり、ぬれ感が出るまで塗り重ねます。
今回のパネルは3回で止まりました。
DSC06937-e1477535559176
もう片方には、一般的に最も使用されている水性サーフ系下塗り、「パーフェクトサーフ」を使用します。
コチラは強制的に膜を張るので、塗り重ねる必要なく塗布できます。
DSC06938-e1477535593379
塗り分けした状態です。
白い方はパーフェクトサーフで透明な方はファイン浸透造膜シーラー3回目です。
ファイン浸透造膜シーラーの方の、ぬれ感が画像で伝わるでしょうか?
1回塗だと吸い込み切って、塗っていないのと同じような状態になるので実物を見ると良く判ります。
DSC069391-e1477535636282
この日は乾燥させて終了となります。
見本と言えど、塗装は1日にしてならずです。

明日以降、塗り分けた両方に同じ上塗りをして実験パネルは完成します。
DSC07074-e1477535679360

コチラが、上塗りまで塗装して完成した実験パネルです。
塗膜が完全に硬化形成される様、1週間ほど放置しました。
使用した上塗りは、
日本ペイントの「パーフェクトトップ」です。
テープで塗り分けがわかるようにラインを作っています。
DSC07076-e1477535747514

ここからが剥離試験スタートです。
塗料業界で密着試験としてよく利用される試験方法で、「クロスカットテーピング試験」という物が有ります。
カッターで塗膜をX字に傷つけます。
DSC07077-e1477535781331
画像で伝わるでしょうか?
X字に切り込みが入りました。
DSC07079-e1477535812329
下塗り別に塗り分けた両方にクロスカットを行い、そこに粘着力の高い布のガムテープをしっかりと貼り付けます。
DSC07080-e1477535838150
まずは、下地強化を行った方のガムテープを剥がします。
剥がすときは勢いよく剥がします。
DSC07087-e1477535891451
クロスカットした塗膜部分はサイディングに強固に密着している為、浮きも剥がれも出ていません。
良好な塗膜と言えます。
DSC07082-e1477535919422
次に一般的な下塗りであるパーフェクトサーフを下塗りに使用した方のガムテープを剥がします。
DSC07083-e1477535975804

お判りでしょうか?
パーフェクトサーフを下塗りに使用した方は、クロスカットした部分が浮き上がってしまいました。
これでは、10年以上風雨に晒される外壁ではいずれ塗膜が剥がれて不具合として出てしまう密着不良の塗膜だったことがわかります。
DSC07091-e1477536002607
めくってみると、サイディング材の劣化した層から一緒に剥がれてきているのがわかります。
つまり、吸い込まずに表面に膜を強制的に形成する下塗りは、この様な凍害で劣化したサイディングに使用すると密着不良を起こすと言う事です。
メーカーのカタログを熟読すれば、パーフェクトサーフは、塗装面が活膜であることが条件とされている事がわかるので、劣化して素地が出てしまっている(脆弱化している)外壁には使用できない事になります。
あまり現場を知らないリフォーム会社の担当者は、この事に気づいていない為、一般的な下塗りを提案してくる事が多いようで、相見積もりを取られるお客様で弊社にお声かけ下さった方々は、「シャインなら安心して任せられる」と言って下さいます。

塗装リフォーム業界は、最近になってどんどん新規参入も増え、ITの発達によって
ipadを活用した提案も増えたようです。
新卒のような若い担当者でも、基本のマニュアルに沿った仕様であればお客様のお住まいを見積る事が出来るかもしれません。
ですが家の状態は千差万別。建てた住宅会社や使用した建材の年代によっても症状は違います。

今回のような劣化の進んだ外壁には進んだなりの素地強化が必要だと言う事がお分かり頂ければ、お客様自身で知識不足な業者の目利きが出来るようになるのではないでしょうか?

弊社にお声かけ下さったお客様には、今回のような実験パネルが多数ご覧頂けますので、劣化が酷いとお思いの方ほど、ご納得頂けると思います。