4年点検時に発見!凍害による外壁塗装の塗膜剥離

先日、千葉県野田市の屋根塗装、外壁塗装を弊社にご依頼くださったあるお客様が4年目点検を迎えました。
日程を合わせてお伺いさせて頂いたところ、ベランダ外側の角の外壁塗装を行った部分が剥がれていました。

一目見て、「凍害だ。」と分かりました。

新築時の塗膜から浮き上がる様に剥がれて、サイディングの素地が見えていました。
サイディング自体も結露し黒ずみがでていました。※本来乾燥したサイディングは薄いグレー色をしています。

水分を含んで劣化したサイディングは爪で軽くひっかくだけでポロポロ取れてしまいます。

なぜ、凍害が発生するサイディングが多いのかというと、
2000年以前に建てられた戸建住宅は、まだサイディングが普及し出して間もないころで、住宅普及による安売り競争の中、コストの関係上、通気工法にせずに直張り工法が多く採用されていました。
実は、サイディングの通気工法が一般化するまでは、過去の薄物のサイディングは、パネル間目地に使用するコーキングの厚みも十分に取れず、早期に層間剥離となり内部に漏水しやすい構造でした。
通気工法を採用していない場合は、サイディング板と透湿防水シートを密着するように直に張っていた為、毛管現象でサイディング板と透湿防水シートの間に水分が長期に滞留し、木材の腐食の原因やサイディングの反りやねじれが発生する原因にもなっており、多くのクレームが発生していた時代が有りました。

温暖地域のはずの関東でも、寒い冬になると凍害が発生する事も有ります。

特に塗替えの場合、新築時からの塗膜は経年劣化し結合性が弱っていたために内部結露による水蒸気を外に逃がせていたものが、塗替えで外壁を新しい塗膜で覆ってしまったために、水蒸気が逃げられずに冬場に凍結膨張し、サイディング板を脆弱化させたり、塗膜の膨れ、剥がれに繋がったりしています。

2007年頃から住宅瑕疵担履行法が公布され、外壁も10年の瑕疵保証を義務付けられましたので、今ではサイディングは通気工法が常識です。厚さも14ミリ以上という規定が一般的になりました。
現在でこそ、瑕疵担保責任保険の義務化上、通気工法が常識になってきましたが、現在でもベランダ部分の腰壁は直張りで仕上ている住宅も見かけますので、検査を上手くかいくぐって施工している住宅会社はまだまだ後を絶たない様です。

弊社で塗り替えをご依頼いただいたお客様の中で、建てた住宅会社が倒産していたという比率が50%を超えています。
そもそも運営がうまくいかないで倒産してしまったのか、欠陥住宅問題を契機に2000年4月に『住宅品質確保法』が制定され、売主および請負人に対して10年間の瑕疵保証責任を負うことが義務付けらてから、欠陥住宅による瑕疵が頻発して経営を圧迫してしまったのか、責任逃れの為に計画倒産をしたのか、
今となってはわかりませんが・・・。

話を戻しますと
今回の凍害が発生したお施主様宅の塗替えをさせて頂く事になった当初、私自身「サイディング塗替診断士」を取得していた経緯も有り、資料を基にこの様な事が発生する可能性が有る旨をお伝えして、保証書の中にも記載している内容を確認して頂いた上でご契約を交わさせて頂いておりました。

今回、お伺いさせて頂いた際も、お施主様もやっぱりそうなのねとご理解下さいました。
ただ、僕の考え方として、例え保証対象外の事だったとしても、「1回は手を加えて補修してあげよう。」という思いが有ります。
僕は元々職人でしたし、拘りが強かった性分なので、構造上ダメだったとしても何とか治したいと思ってしまいます。
無償で治せる範囲には限界が有りますが、通気工法に作り直すにはベランダだけで数十万円の費用が必要になってしまいます。

今回は少しでも通気性を上げる為に、軒下に換気口を設けて、補修塗装も行いました。
また数年後には発生してしまう可能性は残りますが、逆にお施主様からは感謝のお言葉を頂きました。

塗装工事で出来る事には限界が有ります。
ただ、誤魔化してまでお仕事を頂きたくはない。
「この塗料なら絶対安心だから」
「うちは15年保証しますよ」
「メーカー保証も付きます」
「20年持ちますよ」
良くある営業トーク。
嘘ではないにしても、信憑性は何もない。
メーカー保証ですらほとんどは商品に対する保証で、工事に対しては保証していない。
※弊社が加盟している日本ペイントのダイヤモンドコートは、3年と短いですが日本ペイントで顧客管理の下、工事保証をしてくれます。

そこを読み取れるお施主様は、古住さんの所なら間違いないと言ってくれます。
僕は、常に「相見積もりを3~4社はしてくださいね。その中で、弊社が一番信頼できそうと感じて頂けたらご依頼下さい。」
とお伝えしております。他社数社が下記のように言ってきてるとしても。
「凍害なんて起こりませんよ。」
「不安がらせすぎなんじゃないですか」
「うちで施工すれば間違いないですよ」
「うちは保証を出しますよ」
「うちの職人なら・・・。」

僕は意見を曲げません。
なぜなら、結果が見えているし例え数回冬場を乗り越えて不具合が発生しなかったとしても、それはたまたまで10年以内にはほぼ100%少なからず何かしらの不具合が発生します。
条件が揃えば発生する物は発生します。
逃げたくないからこそ、安請け合いはしたくありません。
リスクを全て説明して、それでも頼むよと言って頂けるので出来る限り不具合が出ないように手を掛け塗装で仕上げる。

本当は予算が許すなら、サイディング自体を張り替えた方がいいと
もお伝えした上で・・・。

創業して15年
1500棟余りを手掛けてきましたが、凍害の発生件数はこれで3件目です。
全て、直張りのサイディング。
2000年前後に建てられた住宅は今年で15年前後を迎え塗替えを考える時期です。
サイディングの採用率が劇的に上がってきた時代の建物が塗替えを迎えるわけですから、これからますます世間では不具合事例が発生するでしょう。

弊社では対策を考え、直張り時の塗替えに使用する塗料に高性能塗料は一切お勧めせず、通気性重視での塗料選択を勧めていくつもりです。どうしても使用したい塗料が有る場合には、リスクやデメリットを正確にお伝えした上でお選びいただいております。

今どきの塗料は全て「透湿性を有する」と記載されてはいますが、それとは別物だと営業マンには気付いて頂きたい。
半端な知識で提案して、害を被るのはお客様なんだから・・・。

もっと詳しくお知りになりたい方は、弊社ご相談窓口までお問い合わせください。