瓦屋根の弱点は棟!?のし瓦は必要!?

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富里市の現場です。

丸瓦(棟の一番上に載っている半円形の瓦)のズレやのし瓦(丸瓦の下ににある長方形の瓦)のズレがあり、漆喰が剥がれ、中の土がむき出しになっている箇所が多数ありました。

瓦がズレると、中の土に雨が当たり、土が膨張し、漆喰を押し出してしまうんです。

すると今度は土が流れ出していき、棟が崩れます。

大きな地震がありましたから、ここまで瓦がズレてしまったものと思われます。和瓦等の陶器瓦自体は50年以上、下手すれば100年ももつ素材ですが、メンテナンスが不要かと言われたらそうではありません。

棟の構造上棟のメンテナンスだけは必要になってきます。

今回は棟の取り直しを実施致しました。

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和瓦屋根の棟の造りは単純で、切妻屋根の場合、天辺に土を盛り→のし瓦を載せ→土を盛り→のし瓦を載せを繰り返して丸瓦を載せます。

最後に野地板(下地木材)に固定している針金を回して縛り、完成となります。


え?そんなのでちゃんと固定されているの?


と思った方!その通りです。

昔ながらの工法なので結構アバウトなんですよね・・・。

どうして棟がそんな造りになっているかというと、下から瓦を並べていくと左図の通り、天辺に隙間が出来ます。

家それぞれ勾配や形状等違いますから、ちょうどはまる瓦が無いんですね。

また構造的に和瓦は桟木に瓦をひっかけるだけ(自重でずれにくい)ですから、天辺はひっかけようが無いんです。

その為、棟を造るしかありません。

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丸瓦を取るとこんな感じです。

土が濡れて乾いてを繰り返して、粘性を失い固くなっているのが写真でも分かると思います。

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土を払うとのし瓦が見えてきました。

農家や旧家等の和風の立派なお家はこののし瓦が沢山積んでありますよね。天辺に高く積んであると地震の際に大きく揺れてしまうので、よく崩れているのを見かけます。

では、のし瓦は何の為にあるのでしょうか?

下段と上段で段違いにする事により、雨水の浸入を防ぎやすくするという目的もありますが、現在では意匠性やデザイン的な観点からの設置が多いです。

また簡単に言えば「見栄」の部分も大きいです。


のし瓦が沢山積んであると立派に見える事から「裕福さ」の象徴のように捉えられるんですね。

いくら雨水を多少防ぎやすくするとしても地震大国の日本ではあまり高く積むのはお勧め出来ません。

意匠性や見栄を気にしないのであれば、棟は低いに越した事はありません。

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最上段ののし瓦を取った後の次の土の層です。

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ズレていた瓦周辺です。ひどい状態ですね。

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のし瓦を全て取った状態です。ルーフィング(防水シート)に経年の汚れはありますが、めくれあがったり、破れたりはしていませんでしたので、そのまま棟の取り直しをする事と致しました。

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今回は、今後の地震による棟の崩れを抑制する為に、丸瓦だけ設置する事をお勧め致しました。それを可能にする施工方法とは?↓


受け金具を取り付けます。

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その上に、抜き材を設置していきます。

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最近では使用する業者も増えてきたと思いますが、土ではなく、南蛮漆喰(シルガード)を使用致します。

土を積んで漆喰で蓋をしてという必要がない一体式である為、防水性や今後のメンテナンス製に優れます。

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シルガードを積んで、均している様子です。

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その後丸瓦を設置します。その上からビスを下の抜き材に向かって打ち込み、完成です。

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のし瓦を設置するタイプから丸瓦のみを設置するタイプに変更する際の味噌は、丸瓦のサイズです。

のし瓦を設置するタイプの丸瓦は少し小さいサイズの5寸丸がほとんどですが、丸瓦のみタイプに変更する場合は、7寸丸の瓦に変更する必要があります。

7寸丸の方がかさが広くなり、深くかぶるのです。

すると南蛮漆喰の露出面が減ります。

通常洋瓦はこのような造りになっています。


去年12月に屋根塗装をしたお客様は洋瓦で周りは全て和瓦でしたが、お客様のお家以外は全て棟が崩れたそうです。

地震大国日本では棟を高く積む事はお勧め致しません。