クリアー塗装が出来ないなら単純な一色になっちゃうの?
というご質問を頂くことが多くなってきました。
最近の外壁塗装業界は、塗料メーカーが様々な塗料を提供するようになり、単色の塗料とは異なるデザイン性を、より重視した塗料が多くなってきました。
塗料の設定ではないのですが、塗装工事会社が独自で目地とタイル部(凸部)の色を選んで2色分けする塗装方法や、弊社が認定施工店になっている日本ペイントのダイヤモンドコート ブリック仕様、つぶつぶの石材調に仕上がる柄を全体に吹き付ける塗料、そして今回ご紹介させて頂く、専用工具を用いた塗装仕様のWBアートなどがあります。
どれもそれぞれ工法が違い仕上がりもそれぞれ個性があるのですが、今回のWBアートは、凹凸が少ないサイディングでも施工可能で、最大で3色の多彩色グラデーション塗装が可能です。
新築時のサイディングのような柄に蘇らせる事も可能となっていますし、それ以上の意匠仕上げも可能です。
専用工具を使用しても、施工する職人の技量でいかようにも見た目が変化しますので、技術の高い施工店に依頼すればきっと感動するような、ご近所からも評判の家にすることが出来ると思います。
上記の写真のようなサイディングを塗り替えるときに考えるのは、今の目地とタイル調の部分の色分けを活かしたクリアー塗装を検討されると思います。
ですがメンテナンス時期が遅かったり、地震でサイディングが割れて補修が必要だったりすると、クリアー塗装が向いてないと言われる事も多くなってきます。
実際にもクリアー塗装をごり押しで勧められて後悔なさっているお施主様からのご相談も頂くので、何が最適なのかは現調して提案してくる担当の企画力も重要になってきます。
多くのリフォーム会社や塗装会社は、自社が得意とする塗装仕様や慣れた塗装仕様で提案したいものです。
なぜなら職人が慣れた塗装仕様にしないと施工が不十分でトラブルになるのを恐れてだったり、見積もりも複雑になったりするからです。
出来るだけスムーズに現場を終えたいという営業マンの心理は当然かもしれません。
特にハウスメーカーの仕様は色も仕様もパターンから決まったものしか選べなかったりするので、よほどこだわる方は、慣れた塗装工事店を探す方が満足度も高いかもしれませんね。
施工後です。
こんな多色のグラデーションが効いた仕上がりになるならどうでしょうか?
クリアー塗装にこだわらなくても、ここまでの仕上がりを手に入れられるなら、こだわりのある方には魅力的ではないでしょうか?
しかもです、
着色後に、クリアー塗装も行うまでが一体となった仕様ですので、仕上がった色味の美観が長期的に維持されます。
クリアー塗装を行うとチョーキングが発生しなくなるのは前回にお話しさせて頂きましたので詳細は割愛させて頂きますが、塗装して10年経過しても色褪せがほとんどなかったら魅力的ではないでしょうか?
ただやはり、価格は通常の3回塗りシリコン塗装に比べたら、全体で2倍ぐらいの価格になるのは大きなデメリットと言えるかもしれません。
外壁塗装をお考えの全ての方に勧められるというわけではなく、現状の状態が健全で、(通気工法、在来工法、脆弱サイディングではないなど)適応しても十分な耐久性を確保できると診断させ頂いた建物でデザイン性にかなりのこだわりを持った方に勧められるものとなっております。
いくら高耐久で、デザイン性が高い塗料を使用しても、既存の外壁材の劣化状況が進んでいたり、構造が品確法改正前の建物で塗装後の不具合発生率が高い外壁だと、後々で膨れや剥がれ、割れが発生するリスクを抱えたまま高価な工事を行う事になるので、弊社では、あえて勧めないように考慮しています。