千葉県鎌ケ谷市のM様より、外壁塗装と屋根リフォームについてご相談をいただきました。
M様邸の外壁はモルタル下地の上に弾性リシン(ソフトリシン)で吹付塗装されている外壁でした。
弾性リシン(ソフトリシン)は、少し癖があり、ザラザラ、ツブツブ状のもの(骨材)に発泡系の物が使用されています。
従来は、骨材には珪砂と言って小さな石粒を塗料に混入させて吹き付けていたのですが、
塗着効率や作業時の軽量化を図る為に、軽量骨材として発泡系の物が使用される様になりました。
ですが、発泡骨材が使用された弾性リシンや弾性スタッコの外壁の場合、いくつかの条件が重なる事で、塗替え後に塗膜が膨れる現象が発生しています。
原因は、発泡骨材が含む水分です。
発泡骨材に含まれた水分は、晴れの日が続いても簡単には完全に外に蒸発できません。
含水率でいうと、塗装可能とされる<ph10%以下>という数値になっていても、微細に水分を含む状態のまま塗装する事になります。
そこに塗料でコーティングしてしまうと、夏場に水分が膨張し、逃げ場がなくなった膨張した水分を含んだ骨材は塗膜を押し上げてしまい、塗膜の膨れとしての不具合が発生するリスクが高まってしまうわけです。
様々な要因があるので、ここでは割愛させて頂きますが、
出来るだけリスクを最小限に抑える為の下塗りから上塗りまでの塗料の選定に気を付ける必要があると考えてご提案させて頂きました。
今回、外壁に使用したインディフレッシュセラは元々微細な骨材が入っている完全艶消し塗料で、ジョリパット外壁やリシン外壁の意匠性を活かした塗り替えが出来ます。
膨れリスクを最小限に抑える塗料として、最適な塗料というわけではないですが、
溶剤系塗料やフッ素、無機塗料に比べるとリスクを抑えた塗料になりますので、複合的な要素を考えて選定させて頂きました。
また、破風版は突合せ部分のコーキングが剥落しており、このまま放置していると雨漏りの原因になってしまうので補修の必要がありました。