千葉県柏市 柏駅前ビル9階建ての大規模修繕工事(調査診断)マーキング
こんにちは古住です。今回は、千葉県柏市の施工現場柏駅前ビルの大規模修繕工事のつづきになります。ビルの外壁診断の工事前の本調査(外壁診断)とマーキング編になります。主な診断内容は、タイルの外壁がメインとなるビルの為、タイルの浮き調査と割れ調査、欠損調査になります。その他、吹付塗装部分のクラック診断やバクレツ診断も行い、各所に劣化症状別にマーキングを行います。
https://youtu.be/7gbQWgaob-E
タイルの外壁の劣化症状は主に
・浮き
・割れ(クラック)
・欠損です。
割れや欠損は目視で確認し、タイルの張替えを行うための数量を拾っていきます。
浮きに関しては、
打診棒を使用して、打音で浮いているタイルを発見しマーキングしていきます。
浮いたタイルの補修方法としては、タイルのみが浮いているだけであれば、「エポキシ注入工法」といって、ドリルで一定数の穴を開け、浮いているタイルの裏側の隙間に圧送器で接着剤を注入し、再接着をすることが可能になります。
ですが、タイルの更に奥のモルタルごと浮いてしまっていたり、数十枚単位の広範囲で浮いてしまっている場合には、注入では完全に入りきらない場合もあり、将来に不安が残る為、タイルをモルタルごと剥がし、躯体のコンクリートを露出させて再度モルタルからタイル貼りまでを面で張り替える事もあります。
その際には、地震による浮きや割れの再発を防ぐために、衝撃吸収性を持つ弾性接着剤を使用した工法を採用する事もあります。
コストは上がってしまいますが、耐久性の面では格段に向上します。
タイルの張替えを行う場合は、既製品の近似色タイルで施工する場合もありますが、色の差を極力減らす工夫として、窯床に直接タイルの特注品をオーダーする事も可能です。1万枚からのオーダーにはなってしまいますが、今回の柏駅前ビルのタイル張替枚数は、6000枚を超えてますので、余っても何かの補修や将来の修繕時にも利用できますから、在庫として保管して頂く事が可能です。
オーナー様と一緒に焼いてもらった数種類のサンプルの中から最も近しいタイルを選択頂きました。
吹付塗装部分の調査とマーキング(クラック・爆裂・浮き)
吹付塗装部分の調査としては、
クラック(割れ)や浮き、バクレツなどの修繕が必要な部分の調査を行います。
こちらもやはり、目視でのクラック調査と、打診棒による浮きやバクレツの調査を行い、それぞれにマーキングをしました。
左の画像がバクレツという症状になります。RC物件の爆裂がなぜ起こるかというと、建物が古くなってくると、経年劣化によってコンクリート基礎の表面にクラック(ひび割れ)が発生します。発生したクラックから雨水や酸素が侵入するため、内部の鉄筋が酸化して錆びと膨張がどんどん進行して、最終的には鉄筋周辺のコンクリート内部から圧が掛かり外側に押し出され、内側から爆発が起こったように膨らんだり剥落してしまいます。その他、新築時の施工不良で鉄筋の設置位置がコンクリート表面から近すぎると内部の鉄筋は酸化しやすく、爆裂が早期に発生する事もあります。打ちっ放しコンクリートの表面から錆汁がにじみ出ていたりしたら危険信号です。出来るだけ早くに防水施工をすることでバクレツを抑制する事が可能です。
今回は、調査とマーキングについての
報告ブログになります。
柏駅前ビルの実際の工事はもっと進んでいるのですが、
ブログの更新がかなり遅延ぎみです。。。
次回は、高圧洗浄とタイルの薬品洗浄(クリーニング)の様子が報告できればと思います。