雨漏りは屋根だけでなく、外壁のサッシまわり、目地、貫通部、防水紙、通気層が関係することがあります。
天井や壁紙に雨染みが出ると、どうしても屋根を疑いたくなります。ただ、外壁まわりから入った雨水が壁内を伝い、室内側に染みとして出るケースもあります。原因を決めつけず、入口・通り道・出口を分けて見ることが大切です。
この記事でわかること
- 外壁から雨漏りが起きやすい場所
- 昔の外壁と今の外壁で考え方が変わった点
- 新しい家やハウスメーカー住宅でも注意したい理由
- 雨漏りと結露を見分けるために残したい記録
- 相見積もりではなく相診断が大事だと考える理由
雨漏りは屋根だけではありません
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの雨漏り対策資料では、窓やドアのサッシまわり、サイディング外壁の目地やひび割れなども、雨水侵入の確認ポイントとして扱われています。
ここで大事なのは、外壁材の表面だけで雨を全部止めているわけではないという点です。今の外壁は、外から見える仕上げ材、その内側の防水紙、通気層、水切りなどを組み合わせて、雨水を止める、逃がす、乾かすという考え方で成り立っています。
開口部、外壁目地、換気フード、配管貫通部は、外壁雨漏りで確認したい代表的な場所です。
昔の家で起きやすかったこと、今改善されていること
昔のサイディングやモルタルの家では、今ほど通気や二次防水の考え方が一般の方に知られていませんでした。建物によっては、外壁の内側に湿気が残りやすかったり、サッシまわりや貫通部の納まりが弱かったりすることもあります。
一方で、現在は通気構法、防水紙、防水テープ、シーリング材、役物の考え方が昔より整理されています。国土交通省の住宅瑕疵担保責任保険の設計施工基準でも、外壁の防水措置や、開口部まわりの防水処理に関する考え方が示されています。
建材そのものを「良い・悪い」で見るより、その時代の工法、施工の精度、通気と排水の逃げ道、メンテナンス履歴まで見ることが大切です。
現場でよく確認する外壁雨漏りの入口
私たちが外壁からの雨漏り相談を受けたとき、最初から「ここが原因です」とは言いません。まずは雨が入りやすい場所を順番に見ます。
- サッシまわりのシーリングや防水処理
- サイディング目地のはがれ、ひび割れ、肉やせ
- 換気フード、給湯器、エアコン配管などの貫通部
- 外壁材の割れ、反り、浮き
- バルコニー笠木、庇、屋根と壁の取り合い
- 水切りの納まりや、通気層の出口がふさがっていないか
特にサッシまわりは要注意です。外壁の真ん中よりも、部材と部材のつなぎ目のほうが、雨漏りの入口になりやすいからです。
室内の染みの真裏が原因とは限りません
お客様から「この壁の裏が悪いんですよね」と聞かれることがあります。気持ちはよく分かります。ただ、雨水は壁の中を横に走ったり、下に落ちたり、下地材を伝ったりします。室内の染みの真裏だけを直しても、入口が別の場所なら再発します。
雨漏りか結露かは、見た目だけで決めず、雨・風・季節との関係を記録して切り分けます。
新しい家でも、ハウスメーカー住宅でも油断はできません
「新築だから雨漏りしない」「大手ハウスメーカーだから大丈夫」と考えたい気持ちは分かります。実際、大手さんの設計や管理には学ぶところも多くあります。ただ、どんな建物でも、開口部、防水紙、通気層、シーリング、バルコニーまわりなど、雨水が絡む弱点はあります。
また、ハウスメーカーの担当者だからといって、必ず外装雨漏りの現場経験が豊富とは限りません。もちろん経験のある方もいますが、一次対応や点検は担当者によって差が出ます。現場で外壁を剥がし、下地や防水紙や水の逃げ道まで見てきた職人・専門店の見方とは、少し違うことがあります。
私は、雨漏りや外壁劣化の相談では「相見積もり」だけでなく「相診断」も大事だと思っています。 金額だけでなく、どこを見て、どう判断したのかを比べてください。
防水・排水・乾燥で見ないと再発します
雨漏りを止める話になると、どうしても「シーリングを打つ」「塗装する」という表面の工事に目が行きます。もちろん必要な工事です。ただ、外壁の雨漏りでは、表面だけでなく下の仕組みを見る必要があります。
外壁は「水を入れない」だけでなく、「入った水を逃がす」「湿気をためない」ことまで考えます。
国土交通省の設計施工基準では、外壁の防水措置や、乾式外壁仕上げにおける通気層の確保に関する考え方が示されています。水が少し入ったとしても、下へ逃げて、乾く仕組みがあれば、すぐ室内に出るとは限りません。
逆に、入口だけふさいでも、壁の中に水分が残る納まりだと、また別の場所に症状が出ることがあります。
相談前に残してほしい写真と情報
雨漏りは、私たちが伺ったときには乾いていることがあります。ですので、相談前に次の情報を残していただくと助かります。
| 室内の染みの近くの写真 | 水が出た場所、範囲、色、壁紙の浮きなどを見ます。 |
| 部屋全体が分かる引きの写真 | 窓、天井、外壁面との位置関係が分かります。 |
| 外側から見た同じ位置の写真 | サッシ、目地、配管、庇、バルコニーとの関係を確認できます。 |
| 雨の日時、風向き、雨の強さ | 横殴りの雨だけなのか、普通の雨でも出るのかを切り分けます。 |
| 過去の塗装・補修履歴 | シーリング、塗膜、防水工事の時期が判断材料になります。 |
高所の撮影や屋根の確認は危険です。 脚立に上がったり、屋根に乗ったりせず、地上や室内から分かる範囲で記録してください。
私からお客様へ伝えたいこと
雨漏りは不安になる症状です。だからこそ、最初に来た会社の説明だけで急いで決めないでください。もちろん緊急対応が必要なケースもありますが、原因が複数絡む雨漏りほど、見立ての差が出ます。
ハウスメーカーに相談するのも一つの方法です。ただ、同時に地元の外装専門店にも見てもらうことをおすすめします。外壁塗装だけでなく、シーリング、サイディング、防水紙、通気、板金、バルコニーまわりまで見られる会社かどうか。ここを確認してほしいです。
私たち株式会社シャインは、柏市・松戸市周辺で外壁塗装、屋根、金属屋根、外装リフォームを扱ってきた専門店です。もし雨漏りや外壁の染みで不安があり、弊社をご指名いただけるなら、もちろんありがたいです。ただ、その前にまずは「一社の言い分だけで決めない」ということを覚えておいてください。
まとめ
外壁からの雨漏りは、屋根だけを見ても分からないことがあります。サッシ、目地、貫通部、外壁材、防水紙、通気層、水切り、バルコニーなど、複数の部位が関係します。
昔の建物では、今ほど通気や二次防水の考え方が整理されていなかったケースもあります。今は材料や工法が改善されていますが、それでも施工や納まり、メンテナンス不足によって雨漏りは起こり得ます。
大事なのは、原因を一つに決めつけないことです。雨水の入口、通り道、出口を分けて見て、公式資料の基本と現場経験の両方から判断する。これが、再発を減らすために必要な見方だと私は考えています。
参考資料・外部リソース