千葉県白井市T様邸の10年点検を実施しました。
外壁塗装はモルタル外壁にDANシリコンセラを使用した4回塗り仕様
屋根塗装は洋瓦(モニエル瓦)に洋瓦シーラーを使用したファインシリコンベストの仕様です。
今まで自分たちの考え方や技術を信じて手掛けてきた結果です。
東日本大震災より2年程前に塗り替えメンテナンスをご依頼頂き、震災当時は白井市でも震度5強ぐらいの揺れがありましたので異常が無いかの確認のご連絡をさせて頂いたのを憶えています。
クラックが数か所で発生しています。
下地モルタルからの割れなので塗膜では防げない症状です。
塗り替え時に発生しているクラックはVカットを行い、シーリング補修をするのが基本ですので、割れの再発は抑制できるのですが、揺れなどで新規に入るクラックを塗膜で防ぐ事は難しいのが現実です。
弊社でクラック保証をお出しさせて頂いている仕様(壁面防水方法)もございますが、適応条件がいくつかあり、すべての建物で使用できるわけではない事と、震度5以上の地震が有った場合にはどうしても防ぎきれないという点もあります。
T様邸はコスト重視で10年はもってほしいというご希望でしたので通常の塗装仕様です。
それでも、まだ艶も残り、割れはともかく塗膜としてしっかり保っている点は自分たちのやっていることを信じて手間暇かけて施工してきた賜物だと実感できました。
塗り替え当時、瓦の割れを接着してシーリング補修した部分は隙間の発生もなくシーリングもまだ数年は大丈夫な状態でした。
釘頭にもシーリング充填をして抜けの再発防止を行っていますが、ここは揺れの影響もあり、若干飛び出てきていました。
見た目は少し気になるようになっても、シーリングをもっと厚く充填すればもう少し防げたのかもしれませんので、今後の参考にしたいと考えています。
さすがに屋根なので塗膜の色褪せは10年では進みますね。
一般的な屋根用シリコン塗料を使用したにしては十分すぎるぐらいの耐久をしてくれたと思います。
≪ここで捕捉≫
最近では新しい塗料が次々出てきます。15年耐久、20年耐久とキャッチーな表現の塗料が多い中、本当の意味で耐久する塗料は世にどれだけあるかご存じでしょうか。
メーカーの耐久性能実験はほとんどが鉄板です。ですが、現在の住宅事情で鉄板を使用している建材の方が少ないですよね。
本当の意味で耐久させるためには実際に建っている建物に対して、適した下地に調整し、適した条件下で下塗りを選定し十分な塗布量で塗装、最後に上塗りを適した条件下で十分な塗布量で塗膜を形成させることが重要となり、
決して上塗りの表面的な性能では決まらない事が真実です。
木製の破風板の状態です。
10年前の塗り替え当時、
新築時の木部塗膜は薄いために剥がれがひどい状態でした。
私たちで悪い塗膜を除去し、通常はやらないでしょうが、補強の為に浸透シーラーを2回塗布し木部に吸わせて十分に固めます。
そして木部用の下塗りとしてエポキシプライマーを2回塗布し、強く厚い塗膜で覆いました。
最後に上塗りとしてウレタン塗料を2回塗布して仕上げました。
それが10年経過し、妻側破風板という紫外線や雨が常に当たる部分で条件が厳しい木部の状態が上記の写真です。
職人さんならわかると思いますが、妻側木部塗装10年としては状態はとても良好だと感じるはずです。
≪ここで捕捉≫
近年の破風板は窯業セメント系ボードが最も使用されていますが、木部ほどではないにしても剥がれがひどい建物をよく見かけます。
木部と同じようにしっかり下地から塗膜形成を行えばたとえウレタンでも10年以上をしっかり持たせることが出来るという証明です。
逆に言えば、フッ素塗料や無機塗料を使用しても、上塗りに頼ろうとする塗装では10年持たないとも言えますので、塗料性能は同等でも依頼する業者次第になるという事になります。
最後に
T様の奥様とご主人様とでお話しさせて頂き、「10年だしそろそろやった方がいいよね?」と聞かれました。
弊社としては自身をもって「まだまだ数年は大丈夫ですから安心してください。」とお答えさせて頂き、
いつかまたその時が来たら弊社にお声かけ頂ければ十分だとお伝えして点検を終えました。