千葉県 野田市 製造工場様 屋根改修 折板屋根をカバー工法
著しく錆びた折板屋根に耐久性の高いガルバリウム鋼板でカバー工法
この度、野田市製造工場折板屋根改修(カバー工法)工事をご依頼頂きまして、無事に完工致しました。
現地調査をさせていただいたところ、錆が著しく広がっている状態でした。
このまま放置すると穴があいて雨漏りが発生してしまいます。
メンテナンスとして塗装工事も可能ではありますが、既に錆も広がっており錆抑制に特化した仕様での塗替えでも早年で錆が発生する可能性がございます。
長期的な視点で同じ折板屋根を上から被せるカバー工法をご提案させていただきました。
今回、折板屋根カバーに使用した屋根材は【セキノ興産 重ね葺き折板 SS-500型】です。
折板屋根材を70tクレーン車を使用して持ち上げます。
荷揚げ用帯で屋根材を巻いてクレーンで吊っていき、屋根の上に振り分けながら荷下ろしをしていきます。
折板屋根材自体の重みはそれ程ありませんが、長さがあるためロープを屋根材に巻いて舵取りをしてバランスを取りなが誘導します。
危険を伴う作業のため屋根材を持ち上げる作業が最も緊張する時間です。
※十分なスペースを確保しておかなければ折板屋根を持ち上げることは出来ません。
折板屋根材を屋根の上に持ち上げました。
屋根にあげた材料は傷がつかないように下に板を敷いてその上に乗せていきます。
屋根材を張る作業に入ります。
タイトフレームと呼ばれる下地材を既存の折板屋根の上から取り付けていきます。
このタイトフレームは、新しい屋根材を取り付け支えるための重要な部材です。
折板屋根の下には下地となるタイトフレームが取り付けられているので、その真上に新しいタイトフレームを並べ、ビスで固定していきます。
1本のタイトフレームに対し6本のビスで固定するので、大型の台風が来ても十分な強度が期待できます。
カバー工法の最大のメリットは工事中に雨漏りする心配もないのでかなり安心できます。
折板屋根の上に新しい折板屋根を取り付けます。
折板屋根の素材は0.6mmのガルバリウム鋼板です。
折板屋根の裏にペフ(シート状の断熱材)が貼り付けられた一体型の屋根材を使用しています。
一体型の屋根材を重ねて張っていきます。
屋根の長さを既存の屋根材と合わせたうえで、下地のタイトフレームについているボルトを押し付けて貫通させ、ボルトを固定していきます。
「ペフ」とは屋根の内側に取り付けられているスポンジのようなものです。
断熱・保温・保冷に優れており、ペフを屋根の内側に張り付けることで、結露を軽減してくれています。
折板屋根には断熱性が低いというデメリットがあります。
そのため、室内外の気温差で大量の結露水が発生し、雨漏りの様な状態を引き起こす恐れがあります。
その様な事態を防ぐため、ペフを屋根材の裏側に貼り付けられた一体型の屋根材を使用するとコストパフォーマンスも良いのでおすすめです。
折板屋根材の水上側に、水上立上レイシャウト(棟際に水が入らないように折り曲げ加工する事)を施し雨仕舞いを行ないます。
専用の折り曲げ機を使用して手作業で折り込みを作りました。
水上立上レイシャウト加工で、もし雨水が吹き込んだとしても、設けられた立上りで外に返すことができるので、とても有効的です。
エプロン面戸は、水上側にある屋根の端や棟、壁の手前部分の屋根の溝に取り付けます。
エプロン面戸を取り付けることで、横向きに吹き付ける雨の勢いを抑えて、外壁や棟に雨水が大量に廻るのを防ぐことができます。
雨水を完全に通さないようにするためではなく、雨水の量や勢いを少なくするための部材です。
面戸とは、簡単にいうと隙間をふさぐ板のことで、各所にとりつけられる細かい部材も、屋根材と同種類の金属板を切ったり曲げたり加工して製作されています。
エプロン面戸は、折板屋根の山形とは逆さになっている溝のところに、雨水が入らないように取り付ける板金部材です。
エプロン面戸をただ取付けるだけでは役割を発揮しません。
折板の山の形よりも若干小さく作られていて、そのスキマにシーリングをして固定と防水をします。
ただし、全面にシーリングするのでなく、下面だけスキマを空けておき、万が一浸入した雨水が逃げてくれるようにしなければなりません。
※エプロン面戸の隙間をすべてシーリングしてしまうと、内側に入った雨水が内部に溜まり金属折板の錆びや腐食の原因になってしまいます。
施工前
施工後
水上側や壁との取り合い部分によく設置してある水切り板金の不具合で雨水が浸入する場合があります。
水切り板金は雨水が入り込まないように取り付ける部材で、その危険性の高い部分に設置してあります。
つまり止水保護するための部材なので、ズレや浮き、劣化による不具合が生じると雨漏りに繋がってしまう為、しっかりとビスで固定します。
施工前
施工後
パラペット部に一度アルミテープで補修されているようですが劣化が進み穴が露出している状態です。雨水は確実に侵入しています。
侵入した雨水は建物屋内に落ちるのではなく壁の内部に落ちている可能性もあります。
壁内部に落ちますと外壁や構造柱の劣化を引き起こします。
補修したうえで塗装も可能ではありますが長期間の耐久性は望めません。
高所でメンテナンスも困難かと思いますので、ガルバリウム鋼板で被せて設置しました。
既存の屋根材の上に新しい屋根材をカバーした為、屋根の高さが上がり既存の大型雨樋の再利用が出来ないため交換します。
大型の雨樋と支持金具を使用して設置します。
穴をあけた箇所に支持金具を通し、そこに折板屋根用の大型角樋を固定します。
鋼板を蛇腹状に折り曲げた折板屋根は、スレートのようなフラットな屋根と比べ表面積が広く、受け止める雨水の量も必然的に多くなります。
一般住宅の雨樋よりも容量の大きな雨樋が必要です。
屋根の端部に鼻隠しフレームを設置します。
鼻隠しフレームを取り付けることで、建物の強度やデザイン性を高め、すっきりした外観になります。
屋根から離れた雨樋の外側に設置しても、専用金具でしっかり支えているので強度に問題はありません。
最後に点検をして完成です。
この度の野田市製造工場折板屋根改修(カバー工法)工事の際は大変お世話になりました。
ガルバリウム鋼板製の折板屋根材は赤錆25年のメーカー保証が付いたとても高耐久な屋根材になります。
塩害地ではない限り、今後のメンテナンスは10~15年ごとにジョイントのシーリングなどの部分的なメンテナンスのみで十分かと思います。
今後ともシャインを宜しくお願い致します。
気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい!