よくある話ですね。
あまりにも乱立する塗料の種類とそれを絶対的に良いものと勧めてくる営業マンの誇張が過ぎるトーク…。
ここで良くある塗料成分の誤解を少しアドバイスさせて頂きます。
・アクリルは悪い?
⇒確かに一昔前の主成分でしたが、現在ではアクリルの良い所を活かして改良を加えたシリコンより耐候性が上の物も出ています。
アステックペイントや日本ペイントのパーフェクトトップetc
・シリコンはウレタンより長持ち?
⇒基本的には合っていますが、2液ウレタンと比べると劣る一液シリコン、水性シリコンも出回っています。
成分名での良い悪いは塗料の判断材料にしない方が無難です。同じシリコンでも性能差の見分けをお教えいたしますので詳しくはお問い合わせください。
・無機塗料は20~30年メンテナンスしなくてもいい?
⇒総合的に一般住宅の建物の構造から考えると答えはNOです。
確かに表面の耐久性は無機ハイブリッド塗料は優れているかもしれません。(試験結果で現実の耐久性と比例させるのは安易なので20年後の実際は誰もわかりません)ですが、住宅は現在サイディングかモルタル、ALCが主流です。
どれも通常の大き目な地震が来れば割れる場合も有りますし、大きなヒビ割れは塗膜では防ぎきれない事がほとんどです。
さらにサイディングはコーキングが有るのでコーキング(シーリング)の耐久性と外壁の耐久性にズレが生じます。
どんなに良い高耐候シーリングを使用しても20年は持つ保証はないので、総合的に判断する必要が有ります。
東日本大震災を経験しても、割れの一つも出ていないお住まいであれば、今後の震度5程度の地震では割れる事はないかもしれませんので、無機塗料もご検討されて良いかとは思います。
・光触媒塗料はほんとに20年持って汚れもほとんど付かないの?
⇒完全にNOです。外壁の条件建物の形状などによって100%ではありません。
弊社にも良くご相談が有るのですが、「3年前に光触媒で塗装したのに北側とベランダに雨筋や緑のコケが付着して汚れてきた」営業マンが誇張したトークで光触媒に魅力を感じて施工をされたそうです。
また、日本ペイント技術部さんの見解では、光触媒は酸化チタンの作用を利用して汚れを浮かせる機能ですが、自己の塗膜の酸化も早めてしまい劣化を早めてしまうのではと考えているそうです。
・ガイナはという断熱塗料は100%室内温度が下がるの?
⇒100%室内温度が下がる塗料はありえません。
特に戸建は屋根の材質や建築当初の断熱構造に差が有りますので、
現状で断熱材がしっかりと入っている場合には、室内の温度に変化が出ない事もございます。
表面温度は確実に下がるので、材質の熱劣化を抑える効果はあります。
金属屋根や吹き抜けの屋根の熱が伝わりやすい構造の住宅なら効果は出やすくなります。
まとめ
⇒塗料はいわば生物です。(使用期限は製造から6ヶ月が通常)
いかなる高性能な塗料が発売されても、実際に10年20年と経過してみなければ結果はわかりませんし、
扱い方一つで大きな差が出てしまう事になります。(料理人の腕と知識次第)
気温、湿度、希釈率、混合比(2液型の場合)、塗布量、適正な下地状態すべてが揃って良好な塗膜となります。
どんな塗料を使えばいいかではなく、どんな会社に頼めば10年後20年後に後悔しないで済むかを一番大切にして、塗料選びに走らず、業者選びに専念されてはいかがでしょうか?
メリット、デメリッの的確な説明が有り、全ての塗料には一長一短が有る事を正直に伝えてくれる業者であれば、決して後悔させるような可能性のある塗料は勧めては来ないはずです。
塗料についての詳細はこちらのページで詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。