こんにちは。株式会社シャイン代表の古住です。
8月から続く千葉県内での記録的な大雨や台風によって、県内各地で道路の冠水や住宅の浸水といった深刻な被害が相次ぎました。お車が水没してしまったり、あっという間に自宅の1階に水が流れ込んできたりと、恐怖と悔しさで本当に辛い思いをされている方が増えています。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
実は、私たちシャインの柏店も県道から2メートルほど下がった場所に建っています。8月の大雨の際は、会社の入り口ギリギリのところまで水が押し寄せ、社用車も「あと数分気づくのが遅れていたら完全に水没していた」という危機一髪の状況でした。 私たちは偶然にも間一髪で難を逃れましたが、一歩間違えれば被災者側でした。だからこそ、近隣で被害に遭われたお施主様の状況は決して他人事とは思えません。
そんな中、いま地域の施主様や知り合いの電気屋さんの間で急速に話題にのぼっているのが、「住宅の家電製品とコンセントの位置」についてです。
「床下や床上の浅い浸水だったのに、家全体の電気が使えなくなって真っ暗になった」 「コンセントの位置をもっと上に上げておけば、あの被害は防げたのだろうか……」
現場ではそんな切実な声が聞かれます。 今回は、外装リフォームと住まいの修繕を手掛けるプロの視点から、「なぜ今コンセントの高さを上げることが注目されているのか」「実際にショートや最悪の事態を防げたのか」「コンセントを上げるメリットとデメリット」について、嘘偽りのない本音でお話しします。
1. なぜ「コンセントの位置を上げる」ことが注目されているのか?
日本の一般的な木造住宅では、壁のコンセントは「床から約20〜25cm」というかなり低い位置に取り付けられています。コードが床を這っても目立ちにくく、掃除機のプラグを抜き差ししやすいという、普段の生活の利便性を優先して設計されているからです。
しかし、水害が起きた瞬間、この「低さ」が命取りになります。
ゲリラ豪雨や道路の冠水によって泥水が玄関や掃き出し窓を越えて入ってきたとき、たとえ「足首が浸かる程度の浅い床上浸水(15〜20cm)」であっても、真っ先に水没してしまうのがこのコンセントです。
国土交通省の電気設備浸水対策ガイドラインでも、電気設備やコンセントを高所に設置することが推奨され始めていますが、近年の「一瞬で道路が川になる」ような雨の降り方を目の当たりにして、「普段の位置のままでは危険すぎる」と気づく方が増えています。
2. コンセントが浸水すると何が起きるのか?最悪の事態は防げたのか?
「もしコンセントの位置を上げていたら、最悪の事態を防げたのか?」
コンセントが泥水に浸かると、現場では主に3つの恐ろしい事態が発生します。
① 激しいショートと漏電による「全館停電」
水害の水は真水ではなく、泥や砂、下水の汚水が混ざり合っており、非常に電気を通しやすい状態(電導性が高い状態)になっています。プラグを差し込んだままのコンセントにこの泥水が触れると、バチバチと激しい火花を散らしてショート(短絡)します。 これによって分電盤の「漏電ブレーカー」が作動し、1階だけでなく、2階も含めた家全体の電気がすべて落ちてしまいます。 水が押し寄せる夜間に真っ暗になり、スマホの充電もできず、避難の判断も遅れるという最悪の状況に追い込まれます。
② 水浸しの室内での「感電リスク」
電気が流れたままのコンセントが水没している部屋に、素足や濡れた靴で入るのは極めて危険です。水たまり全体に電気が帯電し、命に関わる感電事故を引き起こす恐れがあります。
③ 水が引いた数日後に襲ってくる「通電火災」
最も怖いのが、水が引いた後の火災です。コンセントの内部に泥やゴミが入り込むと、表面が乾いた後も不純物が残ります。片付けのためにブレーカーを戻した瞬間、残った泥やホコリが発熱して火を吹く「通電火災」や「トラッキング火災」が発生します。「水害から助かったのに、後から家が燃えてしまった」という悲惨な二次災害の多くは、これが原因です。
もしコンセントが床から50cm〜80cmといった高い位置にあれば、浅い床上浸水であっても漏電ブレーカーが落ちずに済み、2階で灯りや携帯の充電を確保しながら、安全に救助を待つことができたのでしょうか?
3. コンセントの位置を高くするメリット・デメリット
「それなら、家のコンセントを全部高くすれば解決なのか?」というと、実はそう単純な話でもありません。リフォームを行う上では、メリットとデメリットの両方を冷静に見極める必要があります。
【メリット】命と日常を守る3つの安心
- 浅い浸水なら電気が生き残り、通電火災のリスクを大幅に減らせる 床に水が入ってきても、コンセントが無事であればショートを起こさない可能性はあります。冷蔵庫などを台の上に避難させておけば、電源を維持できる可能性も残ります。
- 日常の抜き差しがラクになり、腰への負担が減る 床から40〜50cm以上の高さにあると、深くかがみ込まずにプラグを抜き差しできます。高齢の方や腰痛をお持ちの方にとっては、日常の使い勝手が格段に向上します。
- ホコリが溜まりにくく、普段の火災予防になる 床近くのコンセントは綿ボコリが溜まりやすい環境です。位置を高くすることでホコリの付着を防ぎ、平時のトラッキング火災の防止にもつながります。
【デメリット】知っておくべきプロの本音
- 配線コードが壁に垂れ下がり、見た目(インテリア)が気になる テレビやスタンドライトなどのコードが壁の高い位置からだらんと垂れるため、部屋の見た目がすっきりしなくなります。
- 家電のコード長が足りず、延長コードを使うと本末転倒になる コンセントを上げても、家電のコードが届かないからと床に延長コードやタコ足配線を転がしてしまっては、水害時にそのタップが水没して同じ事故が起きます。
- 電気工事と壁の補修費用がかかる コンセントの位置を変えるには「電気工事士」による配線の延長工事が必要です。さらに、元のコンセント穴を塞ぎ、壁紙を張り替えるといった内装工事も伴います。
4. リフォームするなら、どの部屋・どのコンセントを狙うべきか?
家中すべてのコンセントを上げるのは費用もかかりますし、見た目の問題もあります。もし対策をするなら、優先順位をつけて部分的に工事するのが現実的です。
- 1階の低いコンセント(リビングや廊下など): コンセントによって高さが異なるお住まいも多いと思います。低い位置(床から20cm前後)にあるコンセントをまとめて高くする必要があります。一箇所でも低い位置を残してしまうと、そこからショートしてしまう可能性があるからです。
- 屋外コンセント・給湯器の電源まわり: 外壁についている給湯器用やEV充電用の屋外コンセントも、道路冠水で浸水しやすいポイントです。外装工事のタイミングで高さを上げておく手もありますが、今後に備えてコンセントの高さだけ上げる工事をしておくことも可能です。ただし、室内と屋外は同時に位置を上げないと無駄になってしまうことが多いと考えます。
【重要】工事前に必ず確認すべきプロの視点
コンセントをただ上に移動させるだけでは、本当の水害対策にはなりません。以下の点を総合的に見ていかないと、せっかくの費用が無駄になってしまいます。
- 分電盤の回路分岐: どこでブレーカーが分岐していて、「1階のブレーカーを落とせば2階の電気は安全に使えるのか」が分かれているか。
- 壁内の配線状況: コンセント本体だけでなく、壁の中を通っている配線が浸水によってショートする構造になっていないか。
- 直接給電の設備: コンセントプラグを介さず、壁内で直接電気を引っ張っている設備(電動シャッター、床暖房、等)はないか。
こうした災害時には、不安をあおる『悪徳リフォーム』が流行るきっかけにもなります(※2019年の大型台風の後も、屋根の被害をあおる悪質な訪問販売が急増しました)。「コンセントを上げれば水害でも安心です」といった安易なセールストークに乗せられて、急いで契約しないよう十分に注意してください。
「結論として、家の配線構造を把握しないまま、部分的にコンセント位置を数個上げただけでは意味がないことが多い」というのが現場の実態です。
5. 外装の専門店であるシャインが、なぜこのお話をするのか
私たち株式会社シャインは、外壁塗装や屋根の金属カバー工法などを専門に行う外装リフォーム会社です。
「外壁の会社が、なぜ室内のコンセントの話をするの?」と思われるかもしれません。
しかし、私たちの仕事の本質は「ペンキを塗ること」ではなく、「建物にかかわるすべてに意識を向け、安心して暮らせるお役立ち企業になること」を目指しているからです。
そして、今回の千葉県内の水害被害を目の当たりにし、私たち自身も柏店で浸水の一歩手前まで追い詰められたからこそ、お客様に建物の外側(外装)の防水だけでなく、家全体の安全対策をお伝えしなければならないと強く感じています。
シャインでは、これまで工事をお任せいただいたOB様はもちろん、「外壁塗装や屋根のメンテナンスと一緒に、室内の水害対策や内装リフォームも相談したい」というお客様のご要望にしっかりお応えできる体制を整えています。信頼できる自社のネットワークと資格を持つ電気工事士が連携し、住まい全体の安全を見守ります。
直近の大雨や台風で不安を感じている方へ
- 「今回の雨で、うちの基礎や外壁まわりは大丈夫だっただろうか」
- 「天井やサッシまわりに雨染みが出ていて、漏水していないか不安」
- 「万が一の水害に備えて、1階のコンセントの位置を高くしておきたい」
こうしたお困りごとがございましたら、調査だけでも構いません。ぜひ一度、地元密着の株式会社シャインへお声がけください。しつこい営業電話などは一切いたしません。現場の状況をしっかり確認し、今のお住まいに本当に必要な対策を、誠実にお答えいたします。
正直に申しますと、浸水対策は頻繁にある工事ではありませんので、弊社スタッフ全員がそうした特殊な知識や経験を豊富に持っているわけではありません。
もしこの記事をお読みいただき、「一度詳しく話を聞いてみたい」「うちの配線状況を見てほしい」と思われた場合は、ぜひ私、「古住(コズミ)」をご指名いただければと思います。
私自身も完璧ではありませんが、少しでも今までの経験と知識がお役に立てばと思います。