【屋根塗装後の雨漏りを防ぐ】屋根の縁切り材、タスペーサーの様子がわかるサンプル板作りました。
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屋根の塗り替えを行ったために、雨漏りが発生した。
コロニアル(カラーベスト)などの薄型スレート材を使用したお住いの屋根塗装を行った方の中には、そんなご経験をされたかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
現在では、タスペーサーという特許製品が販売されていますので、屋根塗装の際の必需品になっています。
タスペーサーとは簡単に説明すると、屋根材の一枚一枚の重なり部分が塗料で詰まらないように2ミリ程度の隙間を確保する部材になります。
なんとなく屋根には隙間がない方が雨漏りしないようなイメージを持つのが普通だとは思いますが、
実は一ミリにも満たない重なり部分の隙間が塗装工事の際に塗料で埋まったり埋まらなかったりしてしまうと、毛細管現象という現象が発生し、屋根の傾斜(勾配)に逆らって屋根材の重なり部分に侵入し逆流して、建物内に浸透してしまう現象が発生しやすくなります。
例えると、スポンジが重力に逆らって水を吸い上げる現象に似ています。
そういったトラブルが多いことから、10年ほど前になるでしょうか?
タスペーサーという部材が発売されました。
今では、ほとんどの屋根塗装には必須のアイテムになっています。
中には、使用しないで塗装されているケースもまだあるようで、弊社にもたまに相談の問い合わせをいただいたりします。
細かい部材なので、入っているのか入っていないのかよくわからないような物ですが、このような細かいポイントに実は大切な要素が含まれていたりしますので、たかが塗装工事と思わずにしっかりと目利きを行った方が賢明です。
弊社にお見積り依頼を下さったお客様が、タスペーサーの実際の様子をご理解いただくために、実物サンプルを作ってみました。!(^^)!
屋根の造りもなんとなくわかるのでとっても為になると思います。
「こんな風になってるんだねー!」と感心される方もいらっしゃいます。
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上記は、タスペーサーなしで塗装した場合です。
重なり部分が塗料でくっついてしまっているのがお判りでしょうか?
タスペーサーがない時代は、塗装後にヘラやカッターを使って、手でくっつきを切っていました。
「縁切り」という工程になります。
当時はあまり見た目ではわからないし、意外に手間のかかる作業のために手を抜かれる事も多かったようで、屋根塗装後の雨漏りのトラブルが頻発していたそうです。
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こちら、タスペーサーを設置して塗装した状態です。
真ん中に部材が刺さっているのがお判りでしょうか?
これがタスペーサーになります。
屋根材と屋根材の重なり部に2ミリほどの隙間が有るのがお判りかと思います。
このわずかな隙間が、雨水や結露水の排出を促す効果を発揮するようになるんです。
ちなみにタスペーサー一つとっても02と03タイプがあったり、
シングル工法、ダブル工法など、屋根の状態によって適した方法が異なったりもします。
特に10~15年前に製造されたノンアス建材(アスベスト規制によりアスベストを含まずに製造された建材)は、規制によって代替品で急ピッチで製造されたために、試験もままならないまま販売されてしまい、強度が著しく低く簡単に割れてしまう物が多く出回りました。
最近の塗装メンテナンス時期を迎える住宅に特に多くなっていますが、各大手メーカーの昔から同じ名称で販売されている屋根材でも例外ではないので注意が必要になりますし、
あまりに割れが多い場合には、タスペーサーの03をしようするか、時にはタスペーサーを使用しないで、従来の縁切りで対応させていただくこともあります。
ケースバイケースですので、屋根に上がらせて頂き専門家による適した判断が必須になります。
もっとも、あまりに割れが多い場合は、将来の事も考えて金属屋根によるカバー工法(被せ葺き)を推奨させていただくようなケースもあります。
初期費用は高くなってしまいますが、メーカー30年保証付きのディプロマット(ディーズルーフシリーズ)等々があり、長期的に見たライフサイクルコスト(LCC)の面ではメリットが大きいと思います。
弊社は、というか私がといった方がいいかもし知れませんが、
興味があることはとにかく何でも深く探求する性格で、専門的知識を少しでもお客様と共有したいと思い、様々な魅力的なサンプル板をいくつも作成しております。
特殊な柄の意匠塗装の場合などはお客様に合わせてサンプルを作ったりもしていますよ。
その方が、ネットやカタログでは想像できないようなことも感じていただくことができるし、お客様もよりイメージしやすくなると思います。
今回は、タスペーサーのサンプル板についてでした。
→縁切りとは?
千葉県柏市の外壁塗装、屋根改修を得意とする
有限会社シャイン 代表の古住でした。