東京都江戸川区に外壁塗装のお見積り依頼を頂いたので、現地調査にお伺いさせていただきました。3階建ての住宅で屋根の状態を見たことがないとのお施主様のお話しでしたので、梯子と脚立を駆使して屋根の写真もご覧いただくことが出来ました。
訪問で外壁の指摘を受けて塗装工事を勧められたそうですが、しつこくて困っていたそうです。本当に悪いのか、そろそろ外壁塗装をやった方がいいのか、迷っている中でホームプロからご縁を頂き、お見積りにお伺いする事になりました。
昨今の屋根は、アスベストの規制により、ノンアス建材の製造が始まった当初に製造された建材で、粗悪な屋根材が多く出回っています。剥がれ(層間剥離)、割れ(基材クラック)が無数に広がるノンアス建材は2000年~2008年頃に掛けて、製造された物が多く、築10~15年でメンテナンスを迎える住宅に本当に多く使用されています。
そんな情報を知ってか知らずか、屋根に上がらずに見積もりを出す業者がほとんどです。
下から見ただけでは、層間剥離やクラックは確認できません。
屋根に上がって、間近で目視し触診し診断することで初めて塗装しても大丈夫な状態かどうかが分かります。
特にパミールという屋根材は、10年で層間剥離でボロボロになります。そんな屋根を平気で塗装してしまっているところもよく見かけます。塗装では症状の進行を引き延ばす事は出来ても、10年は100%持ちません。
剥がれがさらにひどくなっていくのは目に見えています。
お施主様はそんな事情を分かったうえで予算の都合上やむなく塗装で依頼しているのでしょうか?
一度、パミールを塗装してしまったお施主様に屋根の状態をご存知か伺ったことがあります。そのご主人は何も知らずに塗装で見積もられたので塗装で決めたそうです。
後に施工した会社に連絡しても保証の範囲外だと言われ逃げられたそうです。
良いことばかりを言って売るのもいいですが、リスクの説明をしたうえで納得いただいて施工するのと、契約を取りたいばかりにリスクを知らさずに施工をするのとでは、結果は同じであれお施主様の心的ダメージは全く違うはずです。
大手建材メーカーですら粗悪な製品を販売してしまうぐらいですから、100%の工事はないとは思います。
ですが、万が一何か新しい事象で不具合が出てしまったら、責任をもって補修なり最善を尽くして誠意を見せてもらいたいものです。
屋根にも上がらずに見積もりをするホームセンター、大手家電店、リフォーム会社、訪問販売、ハウスメーカーは最新の業界事情を分かっているのでしょうか?
この業界に携わるのなら、知らなかったでは済まされない、本当にお施主様の為の価値ある施工をしていくつもりなら、徹底した知識を養った上で臨んでもらいたいものです。
自分の身は自分で守る時代、お施主様自身が勉強して依頼する業者を選定しなくてはなりません。
会社のネームバリュー、実績、塗料名、製品名、保証期間、資格、自社施工、専門店などは、本当の優良店を見つけるための指標にはなりません。
国家資格の医師免許がいい例です。
「有名な病院を回り、町の専門医を回り、なかなか納得がいく診断結果をもらえずに、体調が治らない。ようやくたどり着いた病院のとある担当のお医者さんだけが、本当の病名に気づき重大な病名だと知らされた。」
こんな話を耳にしたこともあると思います。
現在ではセカンドオピニオンとも言いますが、セカンドでもサードでもフォースでも数回はそれぞれの意見を比較してほしいと思います。
お医者さんの世界でも本当の診断ができる医師は1割にも満たないような潜伏した症状、判断が付きにくい症状の病気があると思います。
外装リフォームも同じようなことが言えると感じています。(一緒にしたらお医者さんに怒られそうですが・・・。)
人の命ほど重い話ではないにしろ、、お施主様にとっては決して安い買い物ではないはずです。
住宅の診断士資格を持っている中でも確実な診断を出来るのは1割に満たないために、屋根に上がらずとも平気で見積もりを出せるんでしょう。
少し熱くなってしまいまいました。
最近こういったことが多くなってきているので、やるせない気持ちになる事もあり、暑苦しかったらすいません・・・。
今日、見て来た屋根は健全で、新築時にいい屋根屋さんが入った事が分かります。
板金の釘回りにしっかりたっぷりコーキングが充填されていたからです。
おかげで釘抜けもなく板金部の浮きもなかったので、割れの補修のみで塗装工事が出来そうです。
明日は午前中に松戸市のアパートの外壁塗装のお見積りに、午後は茨城県守谷市の新規お問合せのお客様宅にご訪問予定です。
屋根が粗悪なノンアス建材でない事を願いつつ、この後一軒ご提案書を完成させてから帰宅します。