『連載記事』② 失敗しない為に!外壁・屋根塗装工事の成功ポイント
塗膜が永久に壊れないのであれば塗り替える必要はないのですが、残念ながら塗膜は時間の経過と共に少しずづ衰えていきます。
放っておくと塗膜が弱くなり、破れてしまったり剥がれてしまったりしてしまいます。
また、塗膜が劣化して保護性を失ってしまうとモルタルやサイディング材が直接雨水と触れてしまうので、塗装ではメンテナンスが難しくなってしまう事もあります。
ここからは、塗膜の劣化の種類やその原因についてお話していきたいと思います。
外壁を手でこすると白っぽい粉が付く症状。
この現象を『チョーキング現象(白亜化現象)』といいます。
チョーキング現象は塗膜の劣化から起こるものなので、粉が手につくという事は塗装の時期の目安となります。
しかしチョーキング現象は、塗膜自体の機能が失われつつある状態ではありますが、今すぐに塗装が必要という事ではありません。
『チョーキング現象が出ているから、すぐに塗り替えた方がいい』というのは良くない業者が使う営業トークのひとつです。
すぐに塗り替える必要はありませんが、早めに点検をすることで異変が起きた時に対処しやすくなります。
外壁を塗り替える時期がそろそろ来たよ…という家からのサインではありますので、早めのメンテナンスをお勧め致します。
チョーキング現象もコーキングの劣化と同様に分かりやすい劣化ですので、年末年始のお休みの際に是非我が家を点検してみて下さい!
更に…
外壁を触ってみたけど、白っぽい粉は付かなかった!
築10年以上経過している家で白っぽい粉が付かない『チョーキング現象』が現れない場合、少し注意が必要です。
築10年以上経過しているのに、『チョーキング現象』が現れない。
それは、家の壁が『難付着サイディングボード』である可能性が高いです。
次は『難付着サイディングボード』について説明致します。
難付着サイディングボードとは、サイディングボードに無機コーティングや光触媒コーティングなどを施してあるサイディングボードのことをいいます。
汚れにくく耐久性が高いため、メンテナンス期間が長いことが特徴の外壁材です。
しかし、メンテナンスが難しい上に知識のない施工会社が施工すると不具合の原因になるため注意が必要です。
我が家の外壁は大丈夫?難付着サイディングボードの見分け方
難付着サイディングボードは色あせしにくく、耐用年数も長いため築10年ほどではあまり白っぽい粉が付くチョーキング現象(白亜化)が発生しません。
築10年以上経過しているけれど外壁に艶が残っており、チョーキングも発生していなければ難付着サイディングボードである可能性が高くなります。
また、光触媒などの技術が外壁材に用いられ製品として広がり始めたのが2001年以降なので、新しい建物ほど難付着サイディングボードの可能性が考えられます。
もし、上記の条件に当てはまったお客様がいらっしゃいましたら家の外壁を確認してみて下さい!
ちなみに、筆者である私の家は築12~13年です。早速、外壁を確認してみました所、手に白っぽい粉は付きませんでした。
チョーキング現象が現れていませんので、難付着サイディングボードの可能性が高いという事になります。
難付着サイディングボードは、汚れにくく耐久性も高いのでメンテナンス期間が長いことが特徴なのですが、塗装する際には非常に注意が必要な外壁材です。
難付着サイディングボードを塗装する際に注意する事とは?
難付着サイディングボードの場合、コーティング部分が下塗り材を付着できないようにしてしまうので塗料が密着しません。
光触媒コートの場合も下塗りを光で分解し、付着力を弱めてしまうため徐々に塗膜が剥がれてきてしまいます。
下の画像は、他社で難付着ボードに通常の塗装を施してしまった事例です。
外壁塗装がボロボロ破れた見た目になったり、水膨れのようにぷくっとなったりする劣化症状です。
塗装が剥がれたり、膨れ(浮い)たりしてしまうと、紫外線や雨風などから外壁を守ることができないので家そのものにまでダメージが及んでしまいます。
塗装が剥がれ、浮いてしまうのは、塗料が家の外壁にしっかりと密着できておらず、取れてしまった状態です。塗料そのものの経年劣化や、建物の構造上の問題、塗装業者の不手際などの原因が考えられます。
外壁塗装で一番重要なのは、下処理と下塗りです。
上記の様な不具合は、ほとんどが現場の職人による手抜き・ミスが原因です。
外壁を塗装するときは3~4回塗りが一般的ですが、最初の下塗り作業では下塗り専用塗料が使われます。
下塗りは美観や保護というよりは、外壁と塗料の密着を良くするために行う作業です。
下塗り材をしっかり外壁に密着させるには、外壁そのものを塗料がなじみやすい状態に整えておくことが大切です。
どんなに高性能で高級な塗料を使っても、外壁の状態が悪いまま塗装してしまうと、塗装が剥がれるなど劣化が早く、たった数年で塗り直すことになってしまいます。
その為に重要な作業が、『下地処理』です。
下地処理には、外壁の汚れを落とす『高圧洗浄』やクラック(ひび割れ)を直す『外壁の補修』等があります。
その他にも下地処理と致しまして、外壁に付いてしまった植物のツタの除去や剥がれている塗膜の除去もございます。
>>>施工事例 外壁の補修これらをしっかりと行い、外壁そのものを塗料がなじみやすい状態に整えて初めて塗装の作業に入ります。その塗装の作業の一番最初に行う下塗り材が、その後に塗る塗料をしっかりと密着させる為に重要なのです。先述しました『難付着サイディングボード』は、下塗り材を選ばないと塗膜がはがれてしまう恐れがあります。
外壁塗装が劣化してしまう原因はたくさんあります。
劣化していても、早急に塗り替えや補修が必要なものから、今すぐでなくても大丈夫なものまで様々です。
建物の環境や、外壁の種類ごとに起きやすい劣化の種類を把握しておいて、劣化の進行度に応じた対処をしましょう。
コーキングの劣化や、チョーキング現象は『見る・触る』だけでも分かる劣化現象ですので是非確認してみてはいかがでしょうか?
そして外壁の劣化はもちろん、軒天や雨樋などの付帯部分も劣化してきます。
シャインでは付帯部も劣化が進んでいれば適切な処理を行います。
小物塗装として、ポストや換気フードの塗装も可能ですので、ご希望の小物を塗装させて頂きます。
小物と言えど、すぐに剥がれては元も子もございませんので金属部にはしっかり下塗りを使用致します。