新築後5年も経過すると、サイディングの目地シーリングが黒ずんでいる事が有ると思います。
現在では、黒ずみ防止の為にノンブリード(非汚染)型という物が主流になっていますので、10年前に比べて随分と良くなりました。
10年15年が経過して、建物のメンテナンスを行う際、シーリングの打替えと塗替えを同時に行う方が多いと思います。
その際に使用されるシーリングは、ほとんどが変性シリコンノンブリードになっています。
現状の色柄を活かしたクリアー塗装ならともかく、着色する塗替えの場合は、100%シーリングを打ち替えた上に塗装を行っています。
なぜ上から塗装するときにノンブリードじゃないとダメなのか。ノンブリード型ではないシーリングの上に塗装をすると、塗膜が半硬化状態になりベタ付きが残り、埃が付着して黒ずんでくるからです。
インターネットで調べても、ノンブリードじゃないとダメぐらいに情報が回っています。
シーリングの各メーカーの仕様を見ても、ノンブリードは後塗装性の項目にに〇が付いています。(ウレタンは◎です)
ですが、このノンブリード型は実は曲者で、各塗料メーカーはシーリング上に塗装は避けてくださいと記載しているんです。
いったい、どっちを信じればいいのでしょうか?
よくよく調べ実験した結果、シーリング会社さんはあくまでも塗料の密着性に〇を付けているだけで、弾力有るシーリングの動きに追従できない塗膜の割れ剥がれについては関与していないと言う事です。
逆に塗料メーカーは、塗膜の割れ剥がれに重きを置いて検証している為、シーリングが動いたら塗膜は割れると判断し、塗装は避けて下さいと明記している様です。
お互いの立場を考えたら、不具合のリスクになる事には関与できない故の見解なんですね。
メーカーとしてはこれ以上は責任持てないと言う事でしょう。
では、現場サイドで実際に施工する場合に、どうするのが正解なのか徹底的に考えました。
1、各シーリングと各塗料の密着性、追従性試験を多種類にわたって相性実験をしました。
2、仕上げる外壁色が濃色ならノンブリード型ではないシーリングを使用し、あえてブリードさせて塗膜を軟化させ割れや剥がれを防ぐ
※濃色なら黒ずんできても目立たず、塗膜割れよりかは安心です。
3、仕上げる外壁色が淡彩なら、ノンブリードを使用し塗膜割れを起こしても、気にならないようにシーリング色を外壁色に合わせおく
4、出来るだけ密着性の良いシーリング(ウレタン系も考慮)を選定し、塗料も弾性効果の高い物を使用する。(伸び率200%以上)
※サイディング用シーリングの伸び率は600%以上がほとんどですので完全とは言えません。
5、完全に後打替えにする(若干の色の差異はご了承が必要ですので見本でご確認ください)
【外壁補修に使用するシーリングは何が適しているか】
その①耐久性比較
その②シーリングのモジュラス性
その④シーリングとサイディングとの密着性
その⑤上から塗る塗料の相性