外壁塗装当時すでに築30年を超える建物で、
既存の外壁塗装面は、窯業サイディングに吹付塗装(リシン模様)で仕上げられた外壁でした。
出来るだけ予算を抑えた仕様で10年程度持てばいいとのお施主様のご希望でしたので、数パターンのお見積りをお出しさせて頂き、最も安く安定的なプランである、日本ペイントさんの昔から実績がある塗料DANシリコンセラを採用頂きました。
ただ、窯業サイディングの外壁なので、外壁防水の要である目地シーリングの打ち替えにはしっかりと予算を当てて、打ち替えを正確に行い、窓周りのシーリングも既定の厚みを取りながらの重ね打ちで、十分な耐久性を確保。
6年経過した状態でも、シーリング上に塗装した塗膜割れもなく、見た目も機能面も良好な状態でした。
外壁塗装工事は、塗装したての状態が綺麗に仕上がっていても、どんなにいい塗料で塗装しても、
それが長い事良好な状態を保っていないと何の意味もありません。
今の時代はインターネットの情報が攪乱し、高性能、高耐候といった塗料ばかりが推し進められていますが、例え昔からある安い塗料を使用しても、Uさまのお住いの様な状態程度の維持なら可能です。
逆に、20年持つような高耐久な塗料を無理に使用しても、数年でも汚れるところは汚れ、割れるところは割れます。
そうなってしまったら、せっかくの期待値に対して20年後の満足のいく結果にはならないでしょう。
いかに住まいに合った仕様か、ご要望に応えられる仕様か、大げさな機能を期待させるような提案をせずに、むしろ慎重なぐらいのご提案が結果としてお施主様に10年後15年後のご満足を提供できると感じています。