サイディング目地の打替えに使用するコーキング材と塗料との相性実験

5月14日の見本板のもう一つの実験は、近年の新築住宅の80%の外壁に使用されている窯業系サイディングの実験です。
サイディングパネルのジョイント部(目地部)にはコーキングが使用されている事が多く、目地のコーキングはサイディング住宅の外壁防水性にとても重要な部位となります。
築10年以上経過してくると、この目地コーキング(シーリング)部分に亀裂が入ったり、隙間が発生してきます。
外壁のメンテナンスの際には、このコーキングの打替え(新築時のコーキングを撤去し新たに打ち替える)を必要とします。
そして、全体を塗装する事が一般的に必要とされるメンテナンス方法なのですが、コーキングと塗料の相性が悪いと密着不良を起こし、数年後にコーキング上に塗装された部分の塗膜だけ剥がれてきてしまう事が良く起こっております。

シャインでは、このコーキング上の塗装の密着テストを行ない、より耐久性の高いコーキング等、新商品に関しては、随時塗料との密着相性を実験してから、実用するようにしております。

コーキング上の塗膜剥離
写真はとある業者で塗り替えをしてから数年が経った状態だそうです。
コーキング上の塗膜だけが剥離してきているのがわかります。
一般的に塗装可能とされている変性シリコンコーキングが打たれていたようですが、塗料との相性が悪いと画像のように剥離する事がまれに見られます。
コーキングと塗料というのはメーカーが違いますので相性が分かっていないとこのような剥離を引き起こす原因になってしまうんです。
特に、新商品として出たコーキングは注意が必要です。
マスキング
さて、実際のサイディングを用いたパネル作成の様子です。
A4サイズにカットし、お客様にご覧頂きやすいサイズで作成します。

あらゆるコーキングと塗料を組みわせるので、何枚も作成します。
コーキングプライマー塗布
サイディングの目地を想定したパネルのこぐちにコーキング用のプライマーを塗布します。
プライマーが不足すると、サイディングとコーキングの密着が悪く、層間剥離が発生してしまいます。
新築から10年以内に層間剥離が発生している場合には、プライマー不足による施工不良が考えられますので、建築会社に相談された方が良いかもしれません。
瑕疵保険の対象箇所と認められれば無償補修を行って頂けます。
サイディング実験パネル作成中7
プライマーの乾燥後、数種類のコーキングを使用して目地部分に充填していきます。
画像は、サンライズのNB-50という変性シリコンコーキングノンブリードタイプです。
一般的に良く使用されるコーキングです。
サイディング実験パネル作成中6
コチラが、オートンイクシード+15です。
近年新築などで使用頻度が高まってきている高耐候型のコーキングが15年の耐候性を有すると言われる中、このオートンイクシード+15は、20年の耐候性を有する超耐候性コーキングです。
コーキングメーカーと塗料メーカーは別なので相性が悪い場合が有り、特に新発売の商品は相性の実験が欠かせないと考えています。

サイディング実験パネル作成中5

充填したコーキングを均し、マスキングテープを剥がして乾燥を待ちます。
コーキングの乾燥は最低でも3日を要します。
実際の現場の場合にも、コーキングの乾燥中は外壁の塗装作業は進めず、養生作業や他の塗装を進めている間にコーキングの乾燥を待ちます。
乾燥不足のまま塗装を行ってしまうと、それも密着不良の原因になってしまいますので、とても大切です。
サイディング実験パネル作成中4

弊社の塗料置き場で合計8枚の試験パネルを乾燥させている様子です。
サイディング実験パネル作成中
乾燥を待ち、塗料も5種類の塗料を塗り分けてパネルを作成しました。
1枚につき3種類の塗料を塗り分けて作っています。
使用塗料は、
日本ペイント「パーフェクトトップ」
日本ペイント「ダイヤモンドコート」
近日公開予定の「無機ハイブリッド塗料」
コーキング先打ち塗装仕上比較
完成したパネルの1枚です。
上から
「無機ハイブリッド塗料」
「ダイヤモンドコート」
「パーフェクトトップ」
コーキングの伸縮試験4
実際のサイディングを想定して、中央にはコーキングが使用されています。
このパネルを強制的にまげて、コーキングの伸縮性、塗料の密着性、塗料の可とう性を実験します。
コーキングの伸縮試験3
震度5程度の地震でも画像のように、ここまでサイディングが動く事は有りませんが、強制実験なので性能の限界を知る為にも必要以上に曲げています。
コーキングの伸縮試験2
曲げた後の、目地コーキングの様子です。
コーキングの破断はもとより、塗膜の破断、浮きも見られませんでした。
コーキングと塗料との密着も良好で、可とう性、相性共に十分な結果が得られました。
コーキング上にカッター切れ込み3
そして更に強制的な実験として、コーキング部分にカッターで亀裂を入れて行きます。
コーキング上にカッター切れ込み2
コーキングまで切り過ぎないように、慎重に塗膜を切ります。
シーリングの密着試験結果3
画像でお判りでしょうか?
カッターを入れた切れ目が確認できると思います。
コーキング上のガムテ剥離試験4
そこにガムテープを貼り付けて、一気に剥がします。
ガムテープの剥離試験は実際に塗料メーカーでも密着試験として行う試験で、密着が悪いとガムテープにくっついて塗料が剥がれてしまいます。
基本的にはクロスカットテープ試験、碁盤目カットテープ試験などが有ります。
コーキング上のガムテ剥離試験3
一部を持ち、一気に剥がします。
コーキング上のガムテ剥離試験2

コーキング上にカッター切れ込み
カッターでカットした部分からの剥がれもなく、しっかり密着していました。

シーリングの密着試験結果2
この状態でパネルを曲げてみると、中のコーキングが見えます。
何度も曲げる戻すを繰り返しても、カッターで亀裂を入れた部分の周りからの剥がれもなく、非常に良好な状態でした。
シーリングの密着試験結果
これだけしっかり密着していれば、長期的に紫外線や風雨にさらされても不具合も出ずにしっかりと建物を守ってくれる外壁でいてくれるとお約束出来ます。