非常にご説明の難しいクリアー塗装の際にシーリング(コーキング)も塗った方が良いのか、塗らない方が良いのかです。
まず、誤解のない様に塗料メーカー一律の注意事項があります。
【例1】厚膜サイディングクリアー塗装で実績のあるセブンケミカルより
「シーリング材の上へは養生をするか、見切りを行い塗装は避けてください。塗装する場合、現在まで不具合の少ない二成分形アクリルウレタンシーリングを勧めております。(シーリング材上に塗装する場合、営業所にご相談ください」
【例2】国内最大手の日本ペイント、関西ペイントより
「シーリング面は、マスキングテープなどで覆い、塗装を避けてください。シーリング面への塗装は、塗膜の汚染、はく離、収縮割れなどの不具合を起こすことがあります」
どちらも、シーリングの上には塗装を避けると記載してあります。
では、なぜ避ける必要が有るのでしょうか?
最近のサイディングに使用が推奨されているシーリングは、黒ずみを防止するために「ノンブリード型」が広く推奨されています。
このノンブリード型の上に塗装をすると、シーリングと塗料との密着が悪く、後々でクリアー膜が割れたり剥がれたりといった症状が高い確率で発生してしまうからです。
ノンブリード型ではないシーリングに塗装した場合は、ブリードして経年で黒ずんでしまいます。
※ブリードとは、シーリングに含まれる可塑剤が表面に塗った塗膜を柔らかくし、反硬化状態にしてしまい、ベタベタした状態になる為、埃などが付着し続け黒ずんでくる事を言います。
元々濃色サイディングの場合は、割れたり剥がれたりするよりも黒ずんでくるぐらいなら目立たないのであえてブリードさせれば大きな問題にはなりません。
淡彩なサイディングの場合にはシーリングも淡彩な色が使用されるので、ブリードして黒ずんでくると目地だけ黒く目立ってしまいます。その場合にはシーリングを後打替えとし、ノンブリード型のシーリングを使用すれば、問題は起こらなくなります。
「シーリングは何が適しているか」にて、詳しく解説しておりますのでご覧ください。
クリア塗装後に、サイディングの目地をコーキングで補修した施工事例はこちらにありますので、どのように施工するか気になる方はぜひご覧ください。