築10年を過ぎた頃、家を建てたハウスメーカーから点検のお知らせと、外壁・屋根の塗り替えの見積もりが届きます。その金額を見て驚かれる方も多くいらっしゃいます。「地元の塗装店に頼むと安くなるのは分かるけれど、保証はどうなるの?」「ハウスメーカー独自の外壁や部材を、ほかの会社でちゃんと塗れるの?」。松戸市でも、こうしたご相談をよくいただきます。
先に結論をお伝えします。
- ハウスメーカーの延長保証を続けたい方は、ハウスメーカーに依頼するのがいちばん確実です。
- 費用を抑えて、建物に合った塗り替えをしたい方は、ハウスメーカーの家の仕様を知っている塗装専門店に直接依頼する方法があります。
- どちらを選ぶ場合も、保証の条件、専用部材に合わせた下塗り、実際に施工する人の3つを、契約前に必ず確かめてください。
この記事では、ハウスメーカーの塗り替えが高くなる理由、ほかの会社で塗装したときの保証の考え方、ハウスメーカーの家に多い専用部材と塗装の落とし穴を、松戸市でのご相談や施工事例を交えてお伝えします。
ハウスメーカーの塗り替えが高くなる理由

ハウスメーカーに塗り替えを依頼しても、塗装をするのは、ほとんどの場合ハウスメーカーの社員ではなく下請けの会社です。下請けの会社のさらに下の会社の職人が施工することもあります。そのたびに管理料や利益が上乗せされるため、同じ工事内容でも見積もりが高くなります。
弊社も、過去に積水ハウスや東急グループの下請けとして塗装をしていた経験があります。下請けの立場では、元請けの指示どおりの工期と予算で仕上げることが求められ、職人が「ここはもうひと手間かけたい」と思っても、思うようにできない場面がありました。同じ職人が塗ったとしても、契約の流れが違うだけで、お客様が支払う金額は変わります。
そのほかにも、ハウスメーカーの見積もりには、長期保証や定期点検の費用、テレビCMや住宅展示場などの広告費も含まれています。直近では原材料費の高騰と人手不足が重なり、ハウスメーカーの塗り替えは、メーカーによって差はあるものの、200万〜400万円(塩ビ防水工事とシーリングの全打ち替えを含む)が相場になっています。
もちろん、その分の安心感や窓口の分かりやすさに価値を感じる方もいらっしゃいます。大切なのは、金額の差が何の差なのかを知ったうえで選ぶことです。
ほかの会社で塗装したら、保証はどうなる?

ハウスメーカー以外で塗装をするときに、いちばん多いご質問がこれです。保証は、次の2つに分けて考えると分かりやすくなります。
新築から10年間の保証は、法律で決まっています
新築住宅は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって、柱や梁などの構造と、雨水の浸入を防ぐ部分について、引き渡しから10年間の保証が義務付けられています。
11年目からの「長期保証」は、ハウスメーカーとの契約です
30年・60年といった長期保証の多くは、10年を過ぎたあとに、ハウスメーカーが指定する点検や有償のメンテナンスを受けることを条件に延長される仕組みです。ほかの会社で外壁や屋根の工事をすると、延長の条件から外れたり、工事した部分が保証の対象外になったりすることがあります。
塗装専門店に頼んだ場合の保証
弊社は木造塗装協会の会員です。「あんしん保証」のリフォーム瑕疵保険特約により、塗装工事に10年の延長塗膜保証をお付けできます。ハウスメーカーの延長保証から外れる部分があっても、塗り替えた外壁・屋根の塗膜は、工事後10年間の保証で守れます。
まずは保証書を一緒に確かめましょう
延長の条件、対象になる部分、ほかの会社で工事をした場合の扱いは、ハウスメーカーや契約の時期によって違います。お手元の保証書やメンテナンスのご案内を拝見しながら、どの保証が続き、どの保証が外れるのかを一緒に確かめます。延長保証を続けることがご家族にとって大事であれば、ハウスメーカーに依頼することも立派な選択です。そのうえで、費用と工事内容を比べて決めていただければと思います。
ハウスメーカーの家に多い専用部材と、塗装の落とし穴

ハウスメーカーの家には、一般的な住宅ではあまり使われない専用の外壁材や部材が使われています。ここを知らずに一般的な住宅と同じ塗り方をすると、塗装した直後はきれいでも、あとから不具合が出てしまいます。
積水ハウスなどの目地「ガスケット」
積水ハウスやトヨタホームなどの外壁は、目地にシーリング材ではなく、ゴム状の部材をはめ込んだ「ガスケット」が使われていることがあります。ガスケットには、柔らかさを保つための「可塑剤」という成分が含まれているものがあり、その上に一般的な下塗り材で塗装すると、可塑剤が塗膜に移って、いつまでもベタベタした状態になってしまいます(ブリード現象)。ほこりが付いて、目地が黒く汚れていきます。
松戸市にお住まいの方から、こんなご相談をいただいたことがあります。積水ハウスの外壁を、ホームセンターでプレミアムシリコン塗料を使って塗り替えたところ、1年たってもガスケットがベタベタしたまま。塗り直してもらっても、場所によってはベタつきが残っているというご相談でした。
ここで知っておいていただきたいのは、上塗りの塗料のグレードは関係ないということです。高い塗料を使っても、下塗りの段階でガスケットに合った専用の下塗り材(ブリードオフプライマーなど)を選んで初めて、ベタつきを防げます。製造時期によってガスケットの性質も違うため、弊社ではテスト塗装で相性を確かめてから塗装しています。
セキスイハイムの塩ビ鋼板屋根「スタウトルーフ」
松戸市H様邸(セキスイハイム・築10〜15年)の屋根は、セキスイ製の塩ビ鋼板屋根「スタウトルーフ」でした。塩ビ鋼板もガスケットと同じく可塑剤を含んでいるため、専用の下塗り材を使わないとベタつきや剥がれの原因になります。
H様邸では、棟板金や屋根の一部に、前回の塗装の剥がれが見つかりました。前回の下塗り材の選び方が合っていなかったおそれがあり、そのまま上から塗ると、古い塗膜と一緒に新しい塗膜も剥がれてしまいます。浮いた塗膜を取り除いたうえで密着テストを行い、下塗り材が合っていることを確かめてから塗装しています。外壁のガスケットにも、専用の下塗り材を使いました。
ヘーベルハウスなどのALC外壁
ヘーベルハウスなどで使われているALC(軽量気泡コンクリート)は、とても丈夫な外壁材ですが、水を吸いやすく、パネルのつなぎ目のシーリングが傷むと、そこから水が入り込みます。水を含んだまま冬を越すと、凍って膨らむことを繰り返し、表面がボロボロになることもあります(凍害)。松戸市M様邸のALC外壁でも凍害が出ていたため、傷んだ塗膜を取り除いて補修し、湿気を逃がせる塗料で塗り替えています。ALCの塗り替えでは、塗装と同じくらい、シーリングの打ち替えに手間をかけます。
光触媒や無機のコートがされた外壁
ハウスメーカーの家には、汚れにくい加工がされた外壁が多く使われています。こうした外壁は一般的な下塗り材がくっつきにくく、塗装して数年でボロボロと剥がれてくることがあります。築年数のわりにチョーキング(触ると白い粉が付く症状)が出ていない外壁は、テスト塗装で付着を確かめてから塗装しています。
ハウスメーカーの家を任せられる業者の見分け方

ハウスメーカー以外に依頼する場合は、次のことを担当者に聞いてみてください。答え方で、その会社がハウスメーカーの家をどれだけ知っているかが分かります。
- ① お住まいのハウスメーカーと外壁材・目地・屋根材の種類を、現地で確かめて説明してくれるか
- ② ガスケットや塩ビ鋼板屋根に使う下塗り材の商品名が、見積書に書かれているか
- ③ テスト塗装や密着テストをしてから塗装するか
- ④ 実際に施工するのは誰か(自社の職人か、さらに別の会社に任せるのか)
- ⑤ 工事後の保証の範囲と期間を、書面で出してくれるか
「どこも同じでしょう」と言われたり、上塗りの塗料の名前ばかりが話題になったりする場合は注意が必要です。ハウスメーカーの家は、下塗り材の選び方で仕上がりの寿命が決まります。業者選び全般のポイントは「業者選びに失敗しない7つのポイント」でもお伝えしています。
お問い合わせから塗り替えまで

お電話またはメールで、お住まいのハウスメーカー、築年数、届いている見積もりや点検のご案内の内容をお伺いします。
外壁材、目地(ガスケットかシーリングか)、屋根材を確かめ、傷みの場所を写真に残します。
お手元の保証書を拝見しながら、ハウスメーカーの保証への影響と、必要な工事を一緒に確かめます。
専用部材に合わせた下塗り材も含めて見積書に書き、ハウスメーカーの見積もりとの違いも細かくご説明いたします。
松戸市の施工事例
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よくあるご質問
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メーカー情報・公的資料の確認日:2026年10月17日。
この記事の監修・執筆
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古住 直輝(株式会社シャイン 代表 / リウォール診断士 監修)
ハウスメーカーの家は、ガスケットや塩ビ鋼板屋根、ALCなど、専用の部材に合わせた下塗りと工程を選ばないと、塗装後にベタつきや剥がれが起きてしまいます。下請けとしてハウスメーカーの塗装に携わってきた経験をもとに、保証の考え方から部材ごとの塗り方まで、松戸市のお客様に分かりやすくご説明しています。
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